capybara-readme-ja

Capybara の README 和訳

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Capybara

これはなに

CapybaraREADME.md を翻訳したものです。「意味が通じること」を重視しており、正確な翻訳を意図したものではありません(なるべく正確に訳そうとは思っています)。原文が更新されていたり、翻訳の間違いを見つけたら Pull Request を送っていただけると助かります。

現在の翻訳は、331c8d1811e637d793ee5557c70a0db66cad8217 を元に作成されています。新しい翻訳に追従するPull Requestをお待ちしています。

序文

Capybara は、webアプリケーションのテストを補助するライブラリです。ユーザが実際に web アプリを扱うやり方をシミュレートします。Capybara は複数のドライバを切り替えて使うことができます。デフォルトでは Rack::Test と Selenium をサポートしており、外部の gem で WebKit をサポートしています。

Capybara をサポートする

もしあなたやあなたの会社が Capybara に価値を感じて、継続的なメンテナンスや開発を財政的に支援してくださるのでしたら、Patreonを見てください。

誰かの助けが必要なら、メーリングリストで質問してみてください(Github の issue を使うのはご遠慮ください)。 http://groups.google.com/group/ruby-capybara

目次

主な利点

セットアップ

CapybaraにはRuby 2.7.0以上が必要です。インストールするには、次の行をあなたのGemfileに追加して、bundle install を実行してください。

gem 'capybara'

もし Rails を使っているなら、テストのヘルパファイルに下記の行を追記してください

require 'capybara/rails'

もし Rails を使っていないなら、Capybara.app に rack アプリを代入してください

Capybara.app = MyRackApp

もし JavaScript のテストがしたい、もしくはリモートのURLに対してテストをしたいときは、別のドライバを使う必要があるでしょう。 もし Rails 5.0 以上を使っているにもかかわらず、Rails 5.1 から導入されたシステムテストを使っていないときは、 Rails のデフォルトに合わせてサーバーを Puma に変更した方が良いでしょう。

Capybara.server = :puma # セットアップはこれで完了
Capybara.server = :puma, { Silent: true } # テストで Puma 起動時のログを出力をしないオプション

Capybara を Cucumber と使う

cucumber-rails gem はビルトインで Capybara 用のコードを含んでいます。もしあなたが Rails を使っていないなら、capybara/cucumber をロードするコードを書く必要があります。

require 'capybara/cucumber'
Capybara.app = MyRackApp

step 中に Capybara の DSL を下記のように書けます。

When /I sign in/ do
  within("#session") do
    fill_in 'Login', :with => 'user@example.com'
    fill_in 'Password', :with => 'password'
  end
  click_link 'Sign in'
end

@javascriptタグを使うことで、ドライバをCapybara.javascript_driver(:selenium がデフォルト)に切り替えることができます。

@javascript
Scenario: do something Ajaxy
  When I click the Ajax link
  ...

明示的にドライバを指定する@selenium@rack_testタグも用意されています。

Capybara を RSpec と使う

下記の上を追加して(通常はspec_helper.rbファイル)、RSpec 3.5 以上用のコードをロードしましょう。

require 'capybara/rspec'

もしあなたが Rails を使っているならば、Capybara の spec は(RSpec を使っている場合spec/featuresspec/system に置きましょう。 もしあなたが別のディレクトリに Capybara の spec を置いているなら、書いているテストの種類に応じて example groups に type: :feature または type: :system を追加してください。

もしあなたが Rails の system spec を使っているなら、使用するドライバを選ぶためにドキュメントを見てください。 もしあなたが Rails を使っていないのならば、Capybara を使いたい全ての example groups に type: :feature を追加する必要があります。

下記のように spec を書けます。

describe "the signin process", type: :feature do
  before :each do
    User.create(email: 'user@example.com', password: 'password')
  end

  it "signs me in" do
    visit '/sessions/new'
    within("#session") do
      fill_in 'Email', :with => 'user@example.com'
      fill_in 'Password', :with => 'password'
    end
    click_button 'Sign in'
    expect(page).to have_content 'Success'
  end
end

js: true を使うことで、ドライバをCapybara.javascript_driver(:selenium がデフォルト)に切り替えることができます。もしくは:driverオプションを使うと特定のドライバに切り替えることができます。

describe 'some stuff which requires js', js: true do
  it 'will use the default js driver'
  it 'will switch to one specific driver', driver: :apparition
end

Capybara には受け入れテスト記述用のDSLもあります。

feature "Signing in" do
  background do
    User.create(:email => 'user@example.com', :password => 'caplin')
  end

  scenario "Signing in with correct credentials" do
    visit '/sessions/new'
    within("#session") do
      fill_in 'Email', :with => 'user@example.com'
      fill_in 'Password', :with => 'caplin'
    end
    click_link 'Sign in'
    expect(page).to have_content 'Success'
  end

  given(:other_user) { User.create(:email => 'other@example.com', :password => 'rous') }

  scenario "Signing in as another user" do
    visit '/sessions/new'
    within("#session") do
      fill_in 'Email', :with => other_user.email
      fill_in 'Password', :with => other_user.password
    end
    click_link 'Sign in'
    expect(page).to have_content 'Invalid email or password'
  end
end

feature は実は単なる describe ... type: :feature のエイリアスです。backgroundbeforescenarioitgivengiven! は それぞれ letlet! のエイリアスです。

最後に、view spec 用の Capybara マッチャ もあります。

RSpec.describe "todos/show.html.erb", type: :view do
  it "displays the todo title" do
    assign :todo, Todo.new(title: "Buy milk")

    render

    expect(rendered).to have_css("header h1", text: "Buy milk")
  end
end

注釈: 「capybara/rspec」を require する場合、Capybara::DSL メソッドである all/within と同じ名前のビルトイン RSpec マッチャ間の名前衝突を避けるために、いくつかのプロキシメソッドがインストールされます。 「capybara/rspec」を require しないのなら、RSpec と「capybara/dsl」を require した後に「capybara/rspec/matcher_proxies」を require することで、名前衝突回避用のプロキシメソッドをインストールできます。

Capybara を Test::Unit と使う

Test::Unit を使っているなら、Capybara テスト用のベースとなるクラスを下記のように定義します。

class CapybaraTestCase < Test::Unit::TestCase
  include Capybara::DSL

  def teardown
    Capybara.reset_sessions!
    Capybara.use_default_driver
  end
end

Capybara を Minitest と使う

require 'capybara/rails'
require 'capybara/minitest'

class ActionDispatch::IntegrationTest
  # 全てのテストで Capybara DSL を利用可能にします
  include Capybara::DSL
  # `assert_*` メソッドが Minitest assertions のように振る舞うようにします
  include Capybara::Minitest::Assertions

  # テスト間のセッションとドライバをリセットします
  teardown do
    Capybara.reset_sessions!
    Capybara.use_default_driver
  end
end
require 'capybara/minitest'

class CapybaraTestCase < Minitest::Test
  include Capybara::DSL
  include Capybara::Minitest::Assertions

  def teardown
    Capybara.reset_sessions!
    Capybara.use_default_driver
  end
end

teardown をオーバライドする全てのサブクラスで super を呼ぶことを忘れないでください。

ドライバを変更するには、Capybara.current_driver に代入しましょう。

class BlogTest < ActionDispatch::IntegrationTest
  setup do
    Capybara.current_driver = Capybara.javascript_driver # デフォルト :selenium
  end

  test 'shows blog posts' do
    # ... このテストは Seleniumu によって実行される ...
  end
end

Capybara を Minitest::Spec と使う

Minitest 用の上記手順に従った上で、さらに capybar/minitest/spec を require します。

page.must_have_content('Important!')

ドライバ

Capybara では、同じ DSL で様々なブラウザや headless なドライバを扱うことができます。

ドライバを選択する

デフォルトでは、Capybara は :rack_test ドライバを使います。:rack_test は速いけれど、JavaScript をサポートしていないのと、Rack アプリの外側からリモート API や OAuth サービスのような HTTP リソースにアクセス出来ないという制限があります。これらの制限を回避するには、欲しい機能に合わせて別のデフォルトドライバを設定します。例えばもし Selenium で全てのテストを走らせたければ、下記のように書けます。

Capybara.default_driver = :selenium # :selenium_chrome と :selenium_chrome_headless も登録されます

しかし、もしあなたが Rspec か Cucumber を使っているのなら(そして JS なしであなたのアプリが正しく動作しているのなら)、より速い :rack_test を default_driver のままにしておいて、JavaScript を扱う必要のあるテストにだけ それぞれ js: true もしくは @javascript でマークを付けることもできます。デフォルトでは、JavaScript のテストは :selenium ドライバが使われます。Capybara.javascript_driverに代入することで変更可能です。

ドライバを一時的に変更することもできます(一般的に Before/setup と After/teardown ブロックで使われます)

Capybara.current_driver = :apparition # 一時的に別のドライバを設定
# ここでテストする
Capybara.use_default_driver       # デフォルトドライバに戻す

注釈: ドライバの変更は新しい session を作ります。なのでテストの途中で変更することはできません。

RackTest

RackTest は Capybara のデフォルトドライバです。これは pure Ruby で書かれていて、JavaScript の実行はサポートしていません。RackTest ドライバは直接 Rack のインタフェースに作用するので、テスト用のサーバーを立ち上げる必要はありません。つまり Rack アプリ(Rails や Sinatra、他のほとんどの Ruby フレームワークは Rack アプリです)でなければ、このドライバを使うことは出来ないということです。さらには、 RackTest ドライバはリモートのアプリのテストにも使えませんし、アプリが扱うリモートの URL にアクセスすることもできません(例: 外部サイトへのリダイレクト、外部 API、OAuth サービス)

capybara-mechanize は、RackTest に似ていて、リモートのサーバにアクセス可能なドライバを提供しています。

RackTest はこのように設定することが出来ます。

Capybara.register_driver :rack_test do |app|
  Capybara::RackTest::Driver.new(app, headers: { 'HTTP_USER_AGENT' => 'Capybara' })
end

詳しくは “Configuring and adding drivers” のセクションを見てください。

Selenium

現在、Capybara は Selenium 3.5以上(Webdriver) をサポートしています。Selenium を利用するためには、selenium-webdriver gem をインストールする必要があります。bundler を使っているのなら Gemfile にそれを追加しましょう。

Capybara は Selenium を使用する名前付きのドライバを数多く用意しています。それらが以下です:

これらはローカルデスクトップにおける設定 (関連するソフトウェアのインストールを含む) では動作するはずですが、追加のオプションをブラウザに渡す必要のある CI 環境で使用する場合、カスタマイズが必要になることがあります。

注釈: 異なるスレッドでサーバを動かす種類のドライバは、テスト中で同一のトランザクションを共有することができません。それによりテストとテストサーバ間でデータを共有できなくなります。トランザクションとデータベースのセットアップの章を読んでください。

Apparition

Apparition ドライバは、ヘッドレスな設定でもそうでない設定でも Chrome を使ってテストを実行できる新しいドライバです。モダン JS/CSS を使えるようにしつつ、Poltergeist ドライバ API および capybara-webkit APIとの下位互換性を提供しています。CDP を使用して Chrome と通信するため、chromedriver が不要になります。このドライバは Capybara の現在の開発者によって開発されており、最新のカピバラのリリースに追従するよう努められています。v1.0になったら teamcapybara のリポジトリにおそらく移動されるでしょう。

DSL

完全なリファレンスは rubydoc.info で利用可能です。

注釈: デフォルトでは、Capybara は visible 要素のみを検索します。実際のユーザーは目に見えない要素を操作することができないためです。

注釈: Capybara での全ての検索は case sensitive です。これは、case insensivity をサポートしていない XPath を大量に使っているためです

他のページに遷移するメソッドとしてvisitが使えます。

visit('/projects')
visit(post_comments_path(post))

visit メソッドは引数を一つだけ取り、リクエストに使用するメソッドは 常に GET です。

注釈: current_path の値を直接テストすることで、現在のパスを assert することもできます。しかし、 have_current_path マッチャを使う方が、前のアクション (click_link など) が完了していることを保証するCapybara の待機動作を利用するため、より安全です。

expect(current_path).to eq(post_comments_path(post))

フルのリファレンスはこちら: Capybara::Node::Actions

リンクやボタンを押してwebアプリと通信することが出来ます。Capybara は自動でリダイレクトに対応し、ボタンに関連するフォームをサブミットします。

click_link('id-of-link')
click_link('Link Text')
click_button('Save')
click_on('Link Text') # リンクかボタンどちらかをクリック
click_on('Button Value')

Interacting with forms

フルのリファレンスはこちら: Capybara::Node::Actions

フォーム要素を操作するツールがたくさんあります。

fill_in('First Name', :with => 'John')
fill_in('Password', :with => 'Seekrit')
fill_in('Description', :with => 'Really Long Text...')
choose('A Radio Button')
check('A Checkbox')
uncheck('A Checkbox')
attach_file('Image', '/path/to/image.jpg')
select('Option', from: 'Select Box')

Querying

フルのリファレンスはこちら: Capybara::Node::Matchers

Capybara はページに特定の要素が存在しているかを調べることが出来るオプションを豊富に持っており、かつそれらの要素の操作もできます。

page.has_selector?('table tr')
page.has_selector?(:xpath, '//table/tr')

page.has_xpath?('//table/tr')
page.has_css?('table tr.foo')
page.has_content?('foo')

注釈: has_no_selector? のような否定形は、not has_selector?とは異なります。詳しくは asynchronous JavaScript の章を読みましょう。

Rspecの魔法のマッチャによって下記のように書けます。

expect(page).to have_selector('table tr')
expect(page).to have_selector(:xpath, '//table/tr')

expect(page).to have_xpath('//table/tr')
expect(page).to have_css('table tr.foo')
expect(page).to have_content('foo')

Finding

フルのリファレンスはこちら: Capybara::Node::Finders

特定の要素を探して操作することが出来ます。

find_field('First Name').value
find_field(id: 'my_field').value
find_link('Hello', :visible => :all).visible?
find_link(class: ['some_class', 'some_other_class'], :visible => :all).visible?

find_button('Send').click
find_button(value: '1234').click

find(:xpath, "//table/tr").click
find("#overlay").find("h1").click
all('a').each { |a| a[:href] }

追加の属性/プロパティで要素を検索する必要がある場合は、フィルター ブロックを渡すこともできます。これは、通常の待機動作内でチェックされます。 これを頻繁に使用する必要がある場合は、カスタム セレクター を追加するか、既存のセレクタにフィルターを追加するのが良いでしょう。

find_field('名'){ |el| el['データ-xyz'] == '123'}
find("#img_loading"){ |img| img['complete'] == true }

注釈: find は、Ajax の章で説明されているように、要素がページに表示されるのを待ちます。もし要素が現れなければエラーを吐きます。

これらの要素は Capybara の DSL メソッドを全て使え、ページの箇所を特定して DSL の作用する場所を制限することが出来ます。

find('#navigation').click_link('Home')
expect(find('#navigation')).to have_button('Sign out')

Scoping

Capybara は form 操作やリンクやボタンのクリックなどの特定のアクションを、ページの特定のエリア内で行うように制限することが可能です。within メソッドを使うことでそれができ、オプションでセレクタの種類を特定することが出来ます。

within("li#employee") do
  fill_in 'Name', with: 'Jimmy'
end

within(:xpath, "//li[@id='employee']") do
  fill_in 'Name', with: 'Jimmy'
end

fieldset や table 用の特別なメソッドがあります。fieldset は legend タグ内の id かテキスト、table は caption タグの id かテキストを見ます。

within_fieldset('Employee') do
  fill_in 'Name', with: 'Jimmy'
end

within_table('Employee') do
  fill_in 'Name', with: 'Jimmy'
end

Working with windows

Capybara には、ウィンドウの検索と切り替えを簡単にする方法がいくつか用意されています。

facebook_window = window_opened_by do
  click_button 'Like'
end
within_window facebook_window do
  find('#login_email').set('a@example.com')
  find('#login_password').set('qwerty')
  click_button 'Submit'
end

Scripting

ドライバがサポートしていれば、簡単に JavaScript を実行できます。

page.execute_script("$('body').empty()")

簡単な式であれば、script の結果を受け取ることが出来ます。

result = page.evaluate_script('4 + 4');

より複雑な script の場合は、それらを 1 つの式として記述する必要があります。

result = page.evaluate_script(<<~JS, 3, element)
  (function(n, el){
    var val = parseInt(el.value, 10);
    return n+val;
  })(arguments[0], arguments[1])
JS

Modals

ドライバーがサポートしていれば、アラート、確認、プロンプトに対して、受け入れ(accept)、無視(dismiss)、応答(respond)することができます。

アラートを生成するコードをブロックでラップすることにより、アラート メッセージを受け入れ(accept)、無視(dismiss)できます。

accept_alert do
  click_link('Show Alert')
end

確認のモーダルを生成するコードをブロックでラップすることで、確認を受け入れ(accept)、無視(dismiss)できます。

dismiss_confirm do
  click_link('Show Confirm')
end

プロンプトを受け入れ(accept)、無視(dismiss)できます。また、応答のモーダルに入力するテキストを提供することもできます。

accept_prompt(with: 'Linus Torvalds') do
  click_link('Show Prompt About Linux')
end

すべてのモーダルメソッドは、提示されたメッセージを返します。したがって、戻り値を変数に代入することによりプロンプトメッセージにアクセスできます:

message = accept_prompt(with: 'Linus Torvalds') do
  click_link('Show Prompt About Linux')
end
expect(message).to eq('Who is the chief architect of Linux?')

Debugging

下記のメソッドで、現在の状況をスナップショットとして撮って見れます。便利です。

save_and_open_page

現在の DOM の状態を、 page.html を使用することで文字列として取得することができます。

print page.html

これは主にデバッグ時に有用なものです。page.html に対してテストをするのは避けて、より表現力のある finder メソッドを代わりに使いましょう。

最後に、ドライバがサポートしていればスクリーンショットを保存することができます。

page.save_screenshot('screenshot.png')

また、スクリーンショットを保存し、自動的に開くことができます。

save_and_open_screenshot

スクリーンショットは、アプリのディレクトリからの相対パスである Capybara.save_path に保存されます。 capybara/rails を require している場合、 Capybara.save_path はデフォルトで tmp/capybara になります。

Matching

Capybara の要素の見つけ方をカスタマイズすることができます。Capybara.exactCapybara.match の二つの選択肢があります。

Exactness

Capybara.exactexact オプションは XPath gem の内部で使われている is に影響します。exact が true のとき、全ての is 式が完全一致になります。 false のときは部分一致を許可します。Capybaraに組み込まれている多くのセレクタが is を使用しています。 この方法で部分一致を許可するかどうか指定できます。デフォルトでは Capybara.exact は false です。

例:

click_link("Password") # "Password confirmation" にもマッチする
Capybara.exact = true
click_link("Password") # "Password confirmation" にはマッチしない
click_link("Password", exact: false) # オーバライドできる

Strategy

Capybara.matchmatch オプションを使うことで、複数の要素が問合せにマッチしたときに Capybara がどのように振る舞うかをコントロールできます。現在 Capybara では4つの振る舞い方が定義されています。

  1. first: 最初にマッチした要素を採用する
  2. one: 二つ以上の要素がマッチしたら例外を発生させる
  3. smart: もし exacttrue なら、one と同じように二つ以上の要素がマッチしたら例外を発生させる。もし exactfalse なら、まず最初に完全一致で試してみて、二つ以上の要素がマッチしたら例外を発生させる。もし要素が見つからなかったら、部分一致で再度要素を探す。ここで複数の要素がマッチしたら例外を発生させる。
  4. prefer_exact: もし複数の要素がマッチし、そのうちのいくつかが完全一致でいくつかが部分一致だったら、最初の完全一致の要素を返す。

Capybara.match のデフォルトは :smart です。Capybara 2.0.x の挙動にしたいのならば、Capybara.match:one に設定しましょう。Capybara 1.x の挙動にしたいのならば、Capybara.match:prefer_exact に設定しましょう。

Transactions and database setup

注釈: Rails 5.1 以上では、アプリとテストスレッドの間でデータベース接続を「安全に」共有します。したがって、もしあなたが Rails 5.1 以降を使用しているのなら、このセクションを無視してよいはずです。

いくつかの Capybara のドライバは実際の HTTP サーバに対して動きます。Capybara はこれに対応しており、テストプロセスと同一のプロセス(ただし別スレッド)で HTTP サーバを走らせます。Selenium は HTTP サーバを使うドライバの一つです。RackTest は違います。

もしあなたが SQL データベースを使っているのなら、全てのテストを1つのトランザクション内で実行し、そのトランザクションをテストの終わりにロールバックする方法が一般的です。例えば rspec-rails では、デフォルトでこの方法が採用されています。トランザクションは通常、スレッド間で共有できないので、もし HTTP サーバを使用するドライバを使っているのなら、テストコード上であなたがデータベースに入れたデータは Capybara から見ることができません。

Cucumber はトランザクションの代わりに truncation を使うことでこの問題に対応しています。すなわち、それぞれのテストの後に全てのデータベースを空にしているのです。database_cleaner のような gem を使うことで、同じような振る舞いをさせることができます。

Asynchronous JavaScript (Ajax and friends)

Ajax を使っている部分をテストするときに、まだページ上に現れていない DOM 要素を扱おうとしてしまうケースがあるはずです。Capybara はページ上の要素が現れるのを待つことで、自動でこの問題に対応します。

下記のような DSL を書いたとき

click_link('foo')
click_link('bar')
expect(page).to have_content('baz')

もし foo というリンクをクリックすることが ajax のトリガーになっていて、完了したときに bar というリンクがページに追加されるとしたら、リンクが表示されないために bar リンクをクリックするのに失敗するでしょう。しかし Capybara は諦めてエラーを投げる前に、少しの間待ってリトライします。次の行でbbaz を探すのも同様です。少しの間待ってリトライします。どれくらいの時間待つかを調整することもできます(デフォルトは2秒です)。

Capybara.default_max_wait_time = 5

この振る舞いがあることによって気をつけて欲しいことがあります。下記の2つの命令は同じでは ありません常に 後者を使うようにしてください!

# `visit` の結果ページが読み込まれるドライバを使っているとします
# Capybara.predicates_wait は `true` で
# 1秒後に AJAX によって `a` タグが削除されるページを考えてみてください
visit(some_path)
!page.has_xpath?('a')  # is false
page.has_no_xpath?('a')  # is true

最初の式:

2 番目の式:

しかし、 Capybara の Rspec マッチャは賢くてどちらの書き方もうまく扱えます。下記の二つの命令は機能的に同じです。

expect(page).not_to have_xpath('a')
expect(page).to have_no_xpath('a')

Capybara の待つ振る舞いはとても革新的で、下記のような書き方も扱えます。

expect(find('#sidebar').find('h1')).to have_content('Something')

もし JavaScript によって #sidebar がページから見えなくなった場合、Capybara は自動で #sidebar とそれが含む全ての要素をリロードします。そして AJAX リクエストによって #sidebar の内容が変化(h1 のテキストが “Something” に)した場合、テストは通ります。もしこの挙動をさせたくなかったら、Capybara.automatic_reloadfalse にセットしてください。

Using the DSL elsewhere

Capybara::DSL を include することで、どんなコンテキストでも capybara の DSL を使うことができるようになります。

require 'capybara'
require 'capybara/dsl'

Capybara.default_driver = :webkit

module MyModule
  include Capybara::DSL

  def login!
    within("//form[@id='session']") do
      fill_in 'Login', :with => 'user@example.com'
      fill_in 'Password', :with => 'password'
    end
    click_link 'Sign in'
  end
end

これは、Capybara がサポートしていないテストフレームワークや、テスト以外の通常のスクリプティングでも使えます。

Calling remote servers

通常、Capybara は同一プロセス内の Rack アプリをテストすることを想定しています。ただ、app_host に値を設定することで、インターネット上の別の場所にある web サーバとやりとりすることもできます。

Capybara.current_driver = :selenium
Capybara.app_host = 'http://www.google.com'
...
visit('/')

注釈: デフォルトドライバ(:rack_test)はリモートサーバに対応していません。対応しているドライバであれば、指定したURLに直接アクセスすることができます。

visit('http://www.google.com')

デフォルトでは、Capybara は自動的に Rack アプリを起動しようとします。リモートでアプリを動かしているなら、Capybara の Rack サーバをオフにしたくなるかもしれません。

Capybara.run_server = false

Using sessions

Capybara は名前付きセッション (指定されていない場合は :default) を扱うことができ、複数のセッションが同じドライバとテストアプリのインスタンスを使って通信できるようにします。もし今使用しているドライバとテストアプリのインスタンスを使用している特定の名前のセッションが見つからない場合、今使用しているドライバを使用して新しいセッションが作成されます。

Named sessions

別のセッションで操作を行って、前のセッションに戻ってくるには下記のようにします。

Capybara.using_session("Bob's session") do
  # Bob のブラウザセッションで何かする
end
# 前のセッションに戻ってくる

永久的に現在のセッションを別のセッションに切り替えるには下記のようにします。

Capybara.session_name = "some other session"

Using sessions manually

Session を手動でインスタンス化して扱うことができます。

require 'capybara'

session = Capybara::Session.new(:webkit, my_rack_app)
session.within("form#session") do
  session.fill_in 'Email', :with => 'user@example.com'
  session.fill_in 'Password', :with => 'password'
end
session.click_button 'Sign in'

XPath, CSS and selectors

Capybara は入力したセレクタの種類を推測するようなことはしません。デフォルトでは常に CSS を使用します。もし XPath が使いたいのであれば、下記のようにする必要があります。

within(:xpath, './/ul/li') { ... }
find(:xpath, './/ul/li').text
find(:xpath, './/li[contains(.//a[@href = "#"]/text(), "foo")]').value

もしくはデフォルトのセレクタを XPath にすることもできます。

Capybara.default_selector = :xpath
find('.//ul/li').text

Capybara には、他にも多くのビルトインセレクタ型が用意されています。ビルトインセレクタの全一覧とそれに適用できるフィルタは、build-in selectorsで確認できます。

Capybara はカスタムセレクタを追加することもできます。これは同じようなセレクタをよく使っている場合に便利です。下記の例はとてもシンプルですが、ここに示している以外にも多くの機能が利用できます。より詳しい例については Capybara のビルトインセレクタの定義を参照してください。

Capybara.add_selector(:my_attribute) do
  xpath { |id| XPath.descendant[XPath.attr(:my_attribute) == id.to_s] }
end

Capybara.add_selector(:row) do
  xpath { |num| ".//tbody/tr[#{num}]" }
end

Capybara.add_selector(:flash_type) do
  css { |type| "#flash.#{type}" }
end

xpath メソッドに渡したブロックは、XPath 形式の String か、もしくは XPath gem を通して生成されたものを返さなければいけません。上記の設定により下記のようにカスタムセレクタを使うことができるようになります。

find(:my_attribute, 'post_123') # マッチする属性を持つ要素を見つける
find(:row, 3) # table row の body の 3番目の row を見つける
find(:flash_type, :notice) # 'flash' という id を持ち、 'notice' という class を持つ要素を見つける

Beware the XPath // trap

XPath での // は特別で、あなたが思ってるような意味ではないかもしれません。通常の認識とは違い、// は “ドキュメント全体のどこか” であって “今のコンテキスト内でのどこか” ではありません。例えば

page.find(:xpath, '//body').all(:xpath, '//script')

これは全ての script タグを body の中から探すと思うかもしれません。でも実際には、これはドキュメント全体の script タグを探します! あなたが探しているのは .// で、これは “カレントノードの配下” を表します。

page.find(:xpath, '//body').all(:xpath, './/script')

within で同じようにやるとこうなります。

within(:xpath, '//body') do
  page.find(:xpath, './/script')
  within(:xpath, './/table/tbody') do
  ...
  end
end

Configuring and adding drivers

Capybara はドライバを切り替えることが簡単にできます。また、ドライバを設定するためのAPIが用意されているし、独自のドライバを追加することが出来ます。下記は selenium ドライバの設定を上書きして chrome を使う方法です。

Capybara.register_driver :selenium do |app|
  Capybara::Selenium::Driver.new(app, :browser => :chrome)
end

この設定に違う名前を付けることもできます。

# 注釈: Capybara はこれをデフォルトで登録します。
Capybara.register_driver :selenium_chrome do |app|
  Capybara::Selenium::Driver.new(app, :browser => :chrome)
end

これにより、簡単にブラウザを切り替えてテストすることができます。

Capybara.current_driver = :selenium_chrome

ブロックの戻り値は Capybara::Driver::Base の記述する API に従わなければいけませんが、Capybara::Driver::Base を継承している必要はありません。gem はこの API を、自分独自のドライバを Capybara に加えるために使えます。

selenium wikiにはドライバ設定の情報が詳しく書かれています。

Gotchas

“Threadsafe” mode

通常モードでは、Capybara の設定オプションのほとんどはグローバルに設定されるため、複数のセッションを使用していて、1つのセッションのみの設定を変更したいような場合に、問​​題を引き起こす可能性があります。提供する このような例をサポートするため、 Capybara は、”スレッドセーフ”モードを提供するようになりました。下記のようにすることで有効になります。

Capybara.threadsafe = true

この設定は、セッションが作られる前にのみ変更できます。”スレッドセーフ”モードでは、下記のように Capybara の振る舞いが変化します。

my_session = Capybara::Session.new(:driver, some_app) do |config|
  config.automatic_label_click = true # my_session のみに設定
end

my_session.config.default_max_wait_time = 10 # my_session のみに設定
Capybara.default_max_wait_time = 2 # my_session の default_max_wait を変更しない

Development

開発環境をセットアップするには、下記のようにします。

bundle install
bundle exec rake  # Firefox でテストスイートを実行します - `geckodriver` をインストールする必要があります
bundle exec rake spec_chrome # Chrome でテストスイートを実行します - `chromedriver` をインストールする必要があります

issue や pull request の送り方は CONTRIBUTING.md に書いてあります。